離乳後の黒毛和種子牛におけるビタミンEの投与効果を評価するため,16頭の子牛には12~18週齢まで,1週間に1回,筋肉内注射により500 IUのビタミンEを投与した(VE群).一方,16頭の子牛にはビタミンEを投与しなかった(対照群).すべての供試牛に14週齢時に牛RSウイルス生ワクチンを接種した.その結果,血清ビタミンE濃度は,両群ともに12~18週齢まで徐々に低下したが,14,16及び18週齢においてVE群では対照群と比較し,有意に高値であった.VE群の血清中酸化ストレスマーカー(d-ROMs)及びd-ROMsと血清中抗酸化力マーカーから算出された酸化ストレス度(OSI)は,18週齢において対照群と比較し有意に低値であった.本研究の結果から,離乳後子牛へのビタミンE投与は,ワクチン接種に対する抗体産生への影響は明らかにできなかったが,酸化ストレスを減少させる可能性が窺えた.