日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
牛血清の保存温度と保存期間が乳酸脱水素酵素の活性及びアイソザイムに及ぼす影響
吉田 裕一中村 誠澤田 浩新井 鐘蔵
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キーワード: 牛血清, LDH, 保存温度
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2020 年 73 巻 2 号 p. 101-105

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抄録

牛血清の保存温度と保存期間がLDH総活性とアイソザイムに及ぼす影響について検討した.健康なホルスタイン種雌成牛及び黒毛和種雌成牛から得られた血清を各温度(4,−20,−80℃)で保存した.また,コントロールとしてヨークシャー種雌成豚の血清についても検討した.ホルスタイン種と黒毛和種における血清LDH総活性とアイソザイムは,−20℃保存及び−80℃保存で12カ月間,有意な変化は認められなかった.一方,豚における−20℃保存の血清総LDH活性は,1カ月後には有意に低下した(P<0.05).豚血清のLDHアイソザイムのMサブユニット比は,牛血清に比べて高かった.牛血清は豚血清とは異なり,−20℃の冷凍保存でLDH総活性及びアイソザイムが12カ月間は安定することが示唆された.

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