牛のボルナ病はボルナ病ウイルス1(BoDV-1)による感染症で運動器障害を示すことが知られるが,ほとんどの個体は無症状である.BoDV-1は垂直伝播の可能性が報告されており,今回ボルナ病の発症が認められた1乳用牛群における伝播状況の調査及び垂直伝播の相対リスク(RR)の疫学的検討を行った.その結果,牛群のBoDV-1抗体保有率は全体の35.5%であった.牛群全体としての垂直伝播RRにおける有意性は認められなかったが,1母系統においてRR 3.03(90%CI 1.08~8.49)と,その有意性が認められた.BoDV-1抗体の有無による繁殖成績を比較したところBoDV-1との関連は認められなかった.本牛群のBoDV-1抗体保有率は過去の報告と比較して高く,特定の系統におけるBoDV-1の垂直伝播RRが認められたことから母子伝播の積極的な予防の必要性が示された.