2020 年 73 巻 9 号 p. 506-509
肺炎治療を行っていた8カ月齢の肉用育成牛が第12病日に死亡した.病理解剖では僧帽弁の疣贅性心内膜炎,肝膿瘍,肺膿瘍がみられ,細菌学的検査にてFusobacterium necrophorum(F. necrophorum)subsp. necrophorum が分離された.病理組織学的にはグラム陰性の長桿菌による疣贅性心内膜炎,肝臓及び肺の被包化膿瘍がみられた.壊死桿菌症は肥育牛で一般的にみられる疾病であり,心内膜炎への関与については,牛ではと畜場における内臓検査で心内膜炎への関与が摘発された事例があるのみで,報告が少ない.本例は左心系にF. necrophorum subsp. necrophorum による疣贅性心内膜炎が確認された症例である.