日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
術前に副腎腫瘍が疑われたリンパ球性副腎髄質炎の犬の1例
新家 早紀松永 大道吉田 愛駒井 園子小澤 剛
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キーワード: 副腎腫瘤, 副腎髄質炎,
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2021 年 74 巻 10 号 p. 651-655

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抄録

5歳7カ月齢,雌のフレンチブルドッグに,画像検査にて偶発的な右副腎腫瘤を認めた.腫瘤の大きさは20mmを超えており,後大静脈内に腫瘍栓様の構造物を認めた.内分泌学的検査と2回行った造影CT検査にて良性腫瘍と考えられたが,後大静脈内に腫瘤を認めたため,その腫瘤に起因する合併症のリスクを想定し,外科切除を行った.標出した組織における病理組織学的検査では,副腎腫瘤はリンパ球性副腎髄質炎,後大静脈内腫瘤は血栓で,いずれにおいても腫瘍性変化は認められなかった.術後,小さな血栓を後大静脈内に認めるものの,症例は無症状で良好に経過していたが,第290病日に他疾患で斃死した.

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