2021 年 74 巻 11 号 p. 743-748
2017年8~10月に静岡県内食鳥処理場に搬入された肉用鶏及び産卵鶏の盲腸内容物,計150検体についてサルモネラ属菌の有無及び薬剤耐性を調査し,58検体から96株分離した.同一検体由来の同一血清型の株はパルスフィールドゲル電気泳動法に基づき同一と判断したので,1検体1株のみとし,60株について12剤の薬剤感受性試験を実施した.肉用鶏由来株57株のすべてが2剤以上耐性であり,耐性薬剤はテトラサイクリン,ナリジクス酸,ストレプトマイシン及びカナマイシン(KM)のいずれかであり,産卵鶏由来株3株はすべての薬剤に耐性を示さなかった.また,S. Schwarzengrundを中心とするKM耐性の30株についてKM耐性関連遺伝子を確認したところ,すべての株でaphA1-Iab 及びaac (6' )-Iaa を保有していた.