2021 年 74 巻 4 号 p. 249-254
獣医臨床教育では実験動物の使用を可能な限り削減するため,映像教材や代替モデルが用いられている.本研究ではより現実に近い臨場感を提供するため,バーチャルリアリティ(VR:virtual reality)教材を作成し,評価した.教材は360度カメラを用いて撮影してVR用ヘッドマウントに装着し,スマートフォンのアプリの専用モードで再生して獣医学部学生が視聴した.アンケートの結果,「とても良い」が78名(53.1%),「まあ良い」が51名(34.7%)で,「あまり良くない」が13名(8.8%)であった.この結果はオンライン動画教材の評価と近似しており,どちらの教材も同様の評価が多くみられた.生体と代替法を使った実習のそれぞれを希望する学生によるVR教材の評価に有意差は認められなかった.VR教材は,獣医小動物臨床導入教育として学生の関心・意欲を刺激する目的に有用であると考えられた.