2022 年 75 巻 7 号 p. e145-e149
腺胃重複囊胞に罹患した46~67日齢の肉用鶏5例を病理学的に検索した.剖検により,単一の囊胞が全例の腺胃に密着していた.囊胞は直径35~72mm,単房性及び非交通性であり,内腔に粘液を満たしていた.組織学的に,囊胞壁は内張り上皮,固有層,3層の平滑筋及び被膜により構成され,2例の固有層の深層に複合管状腺が散在した.内張り上皮は単層の円柱または立方上皮より成り,しばしば絨毛状突起を形成していた.同突起を被う円柱上皮細胞は過ヨウ素酸シッフ及びアルシアンブルーpH2.5染色で陽性,アザン染色で青染する粘液顆粒を満たしていた.得られた成績から3囊胞は腸及び2囊胞は腺胃に類似する各粘膜による内張りが示唆された.本例は鶏の腺胃重複囊胞の初報告である.