2023 年 76 巻 9 号 p. e264-e269
2017~2021年にかけて岡山県で集めた子牛(2~257日齢)507頭から下痢症例516検体を用いて牛ロタウイルスA(RVA)感染症の発生を調査した.516検体中,152検体(29.5%)から牛RVAが検出された.診療回数,発症日齢,転帰,発症季節,性別に関して,感染の有無をもとに両群間で統計解析を実施した結果,牛RVA感染症はそれらの因子に関係なく,発生していた.上記の牛RVA陽性糞便のうち,25検体を用いてG遺伝子型及びP遺伝子型を決定した.その結果,G6P[5],G6P[11],G10P[11]がそれぞれ32%,24%,32%の割合で検出され,岡山県内には複数の異なる遺伝子型を有する牛RVA株が存在した.今回の研究を通じて,他県での調査と同様に,岡山県でも牛RVAが子牛下痢症の主要な病原体の一つであることが示唆された.