2016~2020年までの間に黒毛和種子牛の脛骨骨折10症例に対し,プレート固定手術を行った.うち1頭はプレート抜去後に再骨折し,再度プレート固定手術した症例であった.症例牛は1日齢から4カ月齢で,体重は30~105 kgであった.用いたプレートは,ダイナミックコンプレッションプレート(DCP)3頭,DCP 2枚が2頭,ロッキングコンプレッションプレート(LCP)1頭,LCPとDCP 4頭であった.内固定が崩壊した1頭以外は治癒し,本来の飼養目的に復した.適切な長さとタイプ,ダブルプレート固定法の選択と,正確な手技の適応が重要と思われた.子牛の脛骨骨折はプレート固定術により,併発症としての変形癒合,骨癒合不全,成長遅延が少ない良好な治癒が得られた.