日本獣医師会雑誌
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
肉用鶏に発生した十二指腸の線毛性前腸性囊胞
阿部 増美茂木 洋子金子 和華子清宮 幸男
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2025 年 78 巻 3 号 p. e44-e50

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抄録

十二指腸の線毛性前腸性囊胞(CFC)に罹患した48日齢の肉用鶏1例を病理学的に検索した.長径70 mmの楕円球状囊胞が十二指腸の下行部近位及び上行部遠位に密着して同臓器を圧迫していた.囊胞は単房性で,内腔に淡黄色粘液を満たしていた.囊胞の漿膜が肥厚し,黄褐色乾酪化巣の散在を伴っていた.組織学的に,囊胞壁は内張り上皮,上皮下結合組織,平滑筋及び線維性被膜により構成され,内張り上皮は杯細胞及び粘液腺の散在を伴う偽重層線毛円柱上皮であった.得られた成績から,十二指腸のCFCと診断した.併発病変として囊胞の慢性化膿性漿膜炎及び異所性膵並びに囊胞に近接する小静脈の線維素性血栓が観察され,囊胞の解剖学的位置と漿膜炎並びに囊胞の大きさと血栓の関連が推測された.本例は鶏における十二指腸のCFCの初報告である.

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