獣医療の効果的な遂行には,獣医療従事者とクライアントとなるペットの飼育者の良好な関係性の構築が重要と考えられるが,情緒的な絆を評価するための手段は確立していない.本研究ではアタッチメント理論を元にした新規の心理尺度を作成し,ペットの飼育者で構成されるオンライン調査パネル100名を対象集団として検証を実施した.探索的及び確認的因子分析の結果,「安全な避難所」,「安全基地」,「近接の維持」の3因子からなる計8問の構成が適切と判断され,これを「獣医療従事者アタッチメント尺度」と命名した.これは動物病院に対する信頼感と相関する一方,同時に測定したペットへの愛着とは相関しなかったことから,クライアントが獣医療従事者に対して形成するアタッチメントの機能のみを測定可能な,信頼性及び妥当性を有する尺度であると判断された.