日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
腸管外病原性大腸菌の臍帯感染により死亡した新生子牛の死亡原因の細菌学的考察と泌尿器病変の病理学的探索
瀧奥 健吾細川 久美子船守 足穂堀 香織
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 79 巻 2 号 p. e1-e8

詳細
抄録

生後4日齢で起立不能となり8日齢で尿閉塞を発症した黒毛和種子牛の死亡の原因探索を行った.解剖所見では遺残した臍静脈と尿膜管が臍部に開口し,尿膜管,尿道,膀胱内には線維素が析出し,腎臓,尿管には膿貯留が認められた.病理組織学的検査では塞栓性化膿性腎炎,腎梗塞,腎盂腎炎,壊死性膀胱炎を確認した.肝臓,腎臓,膀胱,尿管,尿膜管を摘出培養したところ大腸菌が優位に検出されたことから,子牛の死因は臍帯から大腸菌が上行感染したことに起因する腸管外病原性大腸菌(Extraintestinal Pathogenic E. coli:ExPEC)感染症と診断した.PCR法による遺伝子検査にて,この大腸菌からはExPECに特徴的とされる病原性関連因子の鉄補足因子遺伝子(iutAfyuAirp1irp2)が検出された.

著者関連情報
© 2026 公益社団法人 日本獣医師会
次の記事
feedback
Top