2026 年 79 巻 6 号 p. e60-e69
Mycoplasma bovis は乳房炎,肺炎,関節炎及び中耳炎等のさまざまな牛疾病を引き起こす.今回,効果的な治療の実践及び抗菌剤の慎重使用を目的に新潟県内の牛由来M. bovis 37株の薬剤感受性調査と分子疫学解析を行った.全株が16員環マクロライド系及びテトラサイクリン系抗菌剤に低感受性の特徴を持つ遺伝子型群に属した.薬剤感受性試験でこれらの抗菌剤に全株,ツラスロマイシンに4株,フルオロキノロン系(FQ系)抗菌剤に9株が低感受性を示し,薬剤感受性低下に関与する一塩基多型(SNP)解析結果とおおむね一致した.SNP解析は迅速かつ適切な抗菌剤の選択を可能とする検査法であり,M. bovis 感染症にフェニコール系抗菌剤は有力な選択肢となり,第二次選択薬に15員環マクロライド系またはFQ系抗菌剤が有用と考えられた.