2026 年 79 巻 7 号 p. e115-e120
岩手県の食鳥処理場において,ある銘柄鶏の深胸筋に筋線維の走行に沿った線状白色巣(白線)が認められたため,その発生調査及び病理組織学的検索を行った.白線のある個体はない個体よりも体重が有意に重かった.しかし,体重が平均以下のもので白線が中程度から重度のものも数例認められた.雄は雌よりも発生率が有意に高かった.浅胸筋と深胸筋の白線の程度は弱い正の相関性(r=0.43)があった.ただし浅胸筋の白線がごく軽度から軽度であっても,深胸筋の白線が中程度から重度のものも数例認められた.病理組織学的には,この白線は筋線維束間に増生した脂肪組織であり,正常に比較し多く認められたが,筋線維の変性は白線が重度のものであっても正常と同程度であり,走行の乱れなども認められなかった.これらの結果から,この白線は筋線維の変性を伴わない脂肪沈着であると考えられた.