2026 年 79 巻 8 号 p. e162-e171
愛知県の養豚場では豚熱ワクチン接種が2019年10月に開始されたが,免疫獲得率(テイク率)が低い農場が散見されている.本研究の目的は豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)感染と豚熱ワクチンテイク率の関連を評価することである.69農場を対象とし,PRRSV野外感染状況に基づきPRRS感染ステージを5段階に分類するとともに,その他の因子も合わせてテイク率との関連を解析した.一般化線形モデルによる統計学的解析の結果,農場内で垂直感染が進行している状況を示すPRRS感染ステージ2(推定値−1.303,p<0.001)の農場,並びにPRRSVワクチン接種を実施(推定値−0.525,p<0.001)している農場でテイク率が低かった.PRRS感染ステージ2の農場割合は7.2%であり,これら農場のPRRS感染ステージを改善することで地域全体のテイク率が改善する可能性がある.