日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
野外農場で豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス感染が豚熱ワクチン免疫獲得に及ぼす影響の考察
稲葉 七巳, 辻 遼子, 井藤 雅子, 髙井 伸二, 蒔田 浩平
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 79 巻 8 号 p. e162-e171

詳細
抄録

愛知県の養豚場では豚熱ワクチン接種が2019年10月に開始されたが,免疫獲得率(テイク率)が低い農場が散見されている.本研究の目的は豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)感染と豚熱ワクチンテイク率の関連を評価することである.69農場を対象とし,PRRSV野外感染状況に基づきPRRS感染ステージを5段階に分類するとともに,その他の因子も合わせてテイク率との関連を解析した.一般化線形モデルによる統計学的解析の結果,農場内で垂直感染が進行している状況を示すPRRS感染ステージ2(推定値−1.303,p<0.001)の農場,並びにPRRSVワクチン接種を実施(推定値−0.525,p<0.001)している農場でテイク率が低かった.PRRS感染ステージ2の農場割合は7.2%であり,これら農場のPRRS感染ステージを改善することで地域全体のテイク率が改善する可能性がある.

著者関連情報
© 2026 公益社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top