2026 年 79 巻 8 号 p. e199-e205
体外循環下開心術で用いられるプロタミンは投与後に低血圧を起こすことがあるが,その機序は不明である.本研究ではその要因を検討した.研究1ではプロタミン誘導性低血圧(PIH)の用量依存性を4 mg/kgと2 mg/kgを各6頭で比較した.研究2では同一12頭に1 mg/kgを投与し,アレルギー関与の可能性を検討した.平均動脈圧とPIH発生数及び発生時間を測定した.その結果,PIHの77.8%は投与開始10分以内に発生した.抗ヘパリン作用に差はなく(P=0.552),4 mg/kg群でPIH発生が多い傾向を示したが,統計学的有意差は認められず,投与量との関連は明確ではなかった(P=0.221).アレルギー関与は証明も否定もできなかった(P=0.558).