日本獣医師会雑誌
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
と畜検査で発見された牛の悪性褐色細胞腫及び褐色細胞腫の病理学的特徴
石曽根 彩, 大我 唯瑠, 川口 絵梨, 岩田 智明, 元木 由美, 鹿嶋 傳, 土肥 富有子
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2026 年 79 巻 9 号 p. e231-e236

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抄録

神奈川県食肉衛生検査所で発見された牛の悪性褐色細胞腫1例及び褐色細胞腫5例の病理学的特徴を解析した.症例は,いずれも高齢の黒毛和種,ホルスタイン種であった.腫瘍は,悪性褐色細胞腫罹患牛では左副腎,後大静脈及び両肺に,褐色細胞腫罹患牛では片側または両側の副腎に認められた.腫瘍細胞は毛細血管を含む狭い結合組織で区画され,胞巣状または索状に配列していた.褐色細胞腫の腫瘍細胞は,悪性褐色細胞腫と比較し,顕著な多形性が認められた.腫瘍細胞はクロモグラニンA及びシナプトフィジンに陽性を示し,Ki-67陽性率は,悪性褐色細胞腫が褐色細胞腫よりも低値であった.本調査により,病理組織学的に著しい多形性や増殖能を示さず,転移する症例が確認され,牛においても本腫瘍は人と類似し,病理組織学的に良悪性の鑑別が困難である可能性が示された.

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