2026 年 79 巻 9 号 p. e237-e243
2023年10月,山口県の1農場において黒毛和種繁殖雌牛の流産が発生した.病理組織学的検査では,流産胎子において肝細胞のびまん性の変性,萎縮及び壊死等が確認され,その他検索した臓器に特筆すべき所見は認められなかった.ウイルス学的検査では,胎子の主要臓器から流行性出血病ウイルス血清型6(EHDV-6)遺伝子が検出され,静置培養では分離されなかったが,BHK-21細胞の回転培養により胎子肝臓からEHDV-6が分離された.分子系統解析の結果から,分離されたウイルスは過去に国内で検出されたEHDVと同様に,東アジアやオーストラリアで検出されるEastern groupと確認された.本事例は,牛の流産胎子からEHDV-6が分離された国内初の報告である.