日本獣医師会雑誌
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イヌのUCG所見
僧帽弁閉鎖不全の一症例
岡本 康孝広瀬 昶長谷川 篤彦
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1979 年 32 巻 9 号 p. 499-504

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抄録

僧帽弁閉鎖不全が疑われた, 7才6ヵ月の雄のグレートデンについて, 心電図, 心音図, 胸部X線などの諸検査に加えてUCG検査を行なった.
その結果, 以下のよう'な所見が得られた.
1) 拡張期では, 僧帽弁弁尖の増厚した, 急峻, 尖鋭で振幅の増大した開放動態エコー像.
2) 収縮期では, 厚みを増して層状を呈する僧帽弁前・後尖像と, その両弁尖間の隙間像.
3) 正常な開閉動態を示す, 大動脈弁, 三尖弁, および肺動脈弁エコー像.
4) 左右両心室の肥大と拡張, および心室中隔の肥大の二次的病態エコー像.
なお, 剖検によりこれらUCG所見をうらづける肉眼的所見が認められた.

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