牛血清膠質反応 (ZTT, TTT, グロス反応, ルゴール反応) の臨床的意義を10項目の化学検査と蛋白分画値, 肝剖検所見と比較検討してつぎの結果を得た.
1) ZTTはAIG比との相関 (.75) が高く, 胆管炎等の肝障害とよく一致する.また年齢による影響も少ない.
2) TTTはA1G比との相関 (27) が小さく, 肝剖検所見との一致も少なく, 肝機能検査としての意義はほとんど認められない.
3) グロス反応は, 総蛋白, AIG, γ2分画に危険率1%で有意差が認められるが同時に年齢との相関 (r=-0.53) も高い.肝の萎縮肥大, 胆管炎などに有意差が認められる.
4) ルゴール反応は, 年齢との相関 (r=0.46) がやや認められること以外ZTTと同様にAIG比, 胆管炎等の肝障害とよく一致する.