日本獣医師会雑誌
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襟裳肉牛牧場におけるカラスの被害
とくに肉牛の被害の発生機構について
山科 秀也
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1981 年 34 巻 9 号 p. 428-430,433

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抄録

襟裳肉牛牧場において1970年~1979年までの10年間に, カラスのつつき (Peck) による被害が主として3~5月のカラスの繁殖期に多発した.一次 (直接) 被害としては, Heat-MountDetector (KAMARUSA) のカートリッジ引き抜きが44%も発生, 発情判定不能となった.分娩中の産子は, 舌などに77頭が食害を受け9頭が死亡した.膣脱牛は13頭が被害を受け10頭が廃用となった.二次 (間接) 被害としては, 膣に食害を受けた傷が膿瘍化し, 分娩時の圧追で腹腔内破裂して死亡した.このようにカラスの被害が多発する牧場では, カラスの生態を重視した防除対策が必要である.

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