日本獣医師会雑誌
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アルコール不安定乳のNa, K濃度と薬剤による影響
福島 義信土井 一夫滝沢 親史
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1983 年 36 巻 8 号 p. 440-445

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抄録

アルコール不安定乳の発生の多い牧野の牛と発生をみない牧野の牛の飼料給与状態を調査した結果, 発生の多い牧野の牛は粗飼料を多く給与されていたが, 食塩はほとんど給与されていなかった.この点に着目して, 乳中および血中のNa/K濃度を指標にしてアルコール不安定乳との関係を調べた.一般に, アルコール不安定乳産生牛は血中のNa濃度は低く, K濃度は高い傾向を示した.乳中のNa, K濃度も同様の傾向を示し, 乳中のNa/Kは低かった.アルコール不安定乳産生牛に食塩を給与すると乳中のNa濃度が増加する結果, Na/K比が高くなりアルコール反応は陰性になった.
プレドニゾロン投与では, 乳中のNa濃度は減少してNa/Kが小となる結果, アルコール反応は陽転した.また, メンブトン投与では, 乳中Na濃度は上昇し, Na/Kは大となり, アルコール反応は陰性となった.

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