子豚の大腸菌性下痢 (whitescour) に対するピロミド酸 (PA) の臨床試験を実施中の養豚場3カ所において哺乳子豚10頭を剖検し, 小腸部の細菌学的検討を行った.その結果を要約すると次のとおりである.
1) 2-4週齢の子豚に好発する豚白痢では, 小腸上部において.Escherichia coliの異常増殖が認められた.
2) 腸管内より分離されたE.coli中から, 下痢の発症と関係の深いとされている定着因子や毒素産生性を有する菌株が検出された.
3) PA投与により下痢の治癒した子豚では, 腸管病変の回復と小腸上部E.coli数の減少が認められた.