日本獣医師会雑誌
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Bicozamycin投与による子豚白痢の治療と耐性大腸菌の推移
金井 久岸 利男金岡 五男斉藤 喜代司藤原 之寿五十嵐 丈人清水 健
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1983 年 36 巻 9 号 p. 524-528

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抄録

2母豚由来の子豚19頭について, 家畜専用抗生物質のピコザマイシン投与による白痢の治療経過と, 大腸菌の耐性獲得の推移について検討した. ピコザマイシンは1日1回, 3日間の投与で十分な治療効果が得られた. 投与量による大きな差異は認められなかった. 生後1日齢の子豚由来大腸菌でも, ほぼ全株が1種以上の常用薬剤に耐性を示した. 検査期間を通して, TC, SM, SA耐性菌は常時高率に検出された. KM耐性菌も決して少なくなかった. CM, APC耐性菌も低率ながら全期間から検出された. しかし, NA, CL, CEX, MPC, APMおよびBCM耐性菌は全く検出されなかった. 常用薬剤の投与を抑制することにより, 1ヵ月後には耐性菌が約20%減少した.

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