1985 年 38 巻 5 号 p. 301-305
潰瘍性腸炎が発生したニホンウズラ3羽について, 病理組織学的および細菌学的に検査した. 剖検所見では, 潰瘍はおもに小腸に見られ, 病理組織検査では, 腸管潰瘍部の壊死組織内にグラム陽性大桿菌が見られた. 細菌学的検査では, 潰瘍部からClostridium perfringens A型菌が106~8個/g, Esckerichia coliが106~8個/g分離された. 2検体の潰瘍部内容物の遠心上清液を静脈内に接種された4匹のマウスは死亡した. しかし, C. perfringensのA型抗毒素血清を加えて4匹のマウスに静脈内に接種したところ, これらのマウスは生存した.