日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
酵素免疫測定用キットによる牛の血漿インスリン濃度の測定
元井 葭子木下 茂人薫田 耕平宮本 亨高橋 秀之
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 40 巻 8 号 p. 557-561

詳細
抄録

牛の血中インスリンを非競合法(EIA-1法)と競合法(EIA-2法)の2つの原理にご基づく酵素免疫測定キットで測定し, Radio immunoassay(RIA)法との相関性を検討した. EIA-1法との間にはr=0.962, y=6.5+0.7786x, EIA-2法との間にはr=0.908, y=21.34+1.1219xで, RIA法との間に良好な相関性を認め, 牛においてこれらの方法の使用が可能であることが判明した. そこで, EIA.1法により測定したところ, 健康成牛125頭の血中インスリン濃度の平均値±標準偏差は20.9±18.66μU/mlであった. 各飼養形態では肥育牛が42.04±19.55μU/mlで, 放牧牛と乳用牛はそれぞれ10.10±3.24μU/mlと10.88±5.04μU/mlで, 肥育牛が有意に高い値を示した. 採食による影響では, 採食前に比べて採食中, 採食直後に有意に高い値を示し, とくに採食中では最高値を認めた. 分娩前後における血中インスリンは各牛ともさまざまな変化を示し, 一定の傾向は認められなかった.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top