1987 年 40 巻 8 号 p. 592-596
1985年5月, “Streptococcuss uis” type I/II接種試験のための前処置として, 免疫抑制剤の1つであるシクロボスファミドを投与した36日齢の同腹子豚3頭のうち1頭が死亡し, 検索の結果Actinobacillus suis 感染症と診断された. 分離菌のマウス接種試験から, 今回の症例は, シクロホスファミドによって誘発されたものと推察された.
本症は非常にまれな疾病で, その発病機構もいまだ解明されていないが, 今回の症例は本症が豚の抗病性の減弱によって発症する, いわゆる日和見感染症であることを裏付ける1つの資料となろう.