1988 年 41 巻 6 号 p. 425-428
犬の股関節の脱臼骨折を伴う寛骨の多発骨折の外科的治療に際し, 右腸骨翼の整復には, U/Tコンプレッションプレートを用い, 寛骨臼の脱臼骨折の整復には改造したセルフコンプレッションプレート (以下, 改造プレート) を用いて整復した.
改造プレートは各ホール間で3方向 (水平方向, 垂直方向, および捻転) に屈曲させることが可能であり, このことによって複雑な寛骨の曲面にプレートが密着し, 寛骨臼の解剖学的整復と強力な固定が可能となった. また, このプレートは45°の屈曲・捻転に対してもスクリューホール自体の変形は生じなかった. 術後5ヵ月で患肢の完全な機能回復が見られ, 改造プレートによる内部固定法の有効性を確認した.