1989 年 42 巻 4 号 p. 245-248
汁の分泌量が, 子牛に経口投与した脂溶性ビタミソ (以下, vit) の血中濃度に影響するか否かを知る目的で, vit AD3E単独投与群 (以下, AD3E単独群) と胆汁分泌促進処置群 (以下, 胆汁分泌処置群) について, 投薬後の血清トコフェロール (以下, Toc) 値と血清vitA値について検討を行った.
vitE1,000IU投与後の血清Toc値の増加は, AD3E単独群では投与8~24時間後, 胆汁分泌処置群では投与8~48時間後まで持続した.
vitE2,000IU投与後の血清Toc値の増加は, AD3E単独群では投与8~24時間後であったが, 胆汁分泌処置群では投与8~72時間後まで持続し, かつToc増加割合もAD3E単独群よりも明らかに高かった.
vitA2, 500,000IU投与後の血清vitA値では, AD3E単独群に較べ胆汁分泌処置群で血清レチニルパルミテート値の増加が著明であった.
以上の所見から, 子牛への胆汁分泌促進処置はvitE, Aの腸管吸収を高めるものと推測された.