日本獣医師会雑誌
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蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフィーによる豚および鶏肉中のバシトラシンの定量
森田 幸雄荒木 妙子浅見 成志下田 雅昭松本 寿男亀田 三男栗原 貯
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1992 年 45 巻 12 号 p. 961-964

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抄録

豚肉および鶏肉に残留するバシトラシン (BC) の蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による定量法を検討した.筋肉中のBCは33%ピリジン水溶液で抽出後, その抽出液はメタノールで除蛋白した.除蛋白液はさらに3mlまで濃縮したものをInertsil ODS-2 (6mm I.D.×125mm) を装着したHPLCに注入した.40%メタノール水溶液の移動相でBCを分別し, 蛍光検出 (EX 270nm, EM 350nm) により定量した.豚肉および鶏肉に1g当たりBCを0.5u添加したものの回収率はそれぞれ84%, 81%であり, 検出限界値は0.0375u/mlであった.
BCの天然蛍光を利用する本法は, と畜検査における豚肉および食鳥検査における鶏肉のBC残留モニタリング検査法として有用であると思われた.

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