1993 年 46 巻 11 号 p. 945-951
8頭の幼犬にみられた埋伏永久犬歯14例について, 即時傾斜移動による外科的矯正, 歯肉開窓術あるいは抜去による治療を行い, 12例 (85.7%) で良好な結果が得られた. エックス線像で埋伏永久犬歯の歯根が未完成の例を対象とし, 晩期残存乳犬歯の抜歯後に, 即時傾斜移動を実施した. 移動困難の場合には, 歯肉を切開し, 移動方向の歯槽骨を切除した. 永久犬歯を移動後に生じた歯槽窩に, 抜歯した乳犬歯の歯根部で作製したくさびを打ち込んで, 移動した永久犬歯を固定し, 固定が不十分な場合は, ワイヤーや即時重合レジンを用いて外固定を行った.