日本獣医師会雑誌
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鹿児島県で発生したアイノウイルスの関与が疑われた牛異常産
北野 良夫山下 静馬古川 雅浩牧野田 勝志
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1993 年 46 巻 6 号 p. 469-471

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抄録

1987年6月~1992年5月に鹿児島県で発生した先天性異常子牛210例を剖検した. このうち1991年2月~4月および1992年3月に本県北薩地域で発生した異常子牛4例は脊柱および四肢湾曲, 大脳の側脳室拡張または欠損さらに骨格筋の黄色膠様化がみられ, 小脳では低形成および欠損が1例ずつにみられた. 組織学的に大脳の非化膿性脳炎, 小脳の固有構造消失, 脊髄の腹角神経細胞の減数または消失と矮小筋が確認された. 病理学的に重篤な小脳病変がみられた点でアカバネ病と大きく異なった. 血清学的に当該子牛はアイノウイルスに対する抗体のみを保有していた. また, 当該地域の1990年と1991年のアイノウイルスに対する抗体陽転時期は11月で, 陽転率は他の5地域より高かった. 以上の結果から, 当該子牛4例はアイノウイルスの関与が強く疑われた異常産であると思われた.

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