日本獣医師会雑誌
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犬および猫の炎症性腸疾患における内視鏡検査と生検の有用性
末松 弘彰高橋 健山崎 寛治
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キーワード: 生検, , , 内視鏡, 炎症性腸疾患
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1996 年 49 巻 6 号 p. 385-389

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抄録

臨床上正常な犬, 猫および一次性胃腸疾患を呈する犬, 猫に対し内視鏡検査と組織学的検査を行った.内視鏡検査では胃腸疾患動物の胃において犬で55%, 猫で44%, 十二指腸において犬で37%, 猫で31%に充血・出血, 顆粒状形態, 糜爛・潰瘍等の変化がみられた.組織学的検査では正常犬の70%, 胃腸疾患犬の97%, 検索した猫全例に胃粘膜固有層の線維化が年齢, 性に関連なく観察された.十二指腸では, 粘膜固有層における明らかな炎症性細胞の増数が胃腸疾患動物全例に観察された.また, 胃腸疾患動物における炎症細胞増数は絨毛部先端でも明らかで, リンパ球性・形質細胞性腸炎あるい好酸球性腸炎と診断された.

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