日本獣医師会雑誌
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犬のアトピー性皮膚炎に関与する抗原
永田 雅彦
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1999 年 52 巻 10 号 p. 658-660

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抄録

アトピー性皮膚炎 (以下, AD) の犬60頭と癈痒を有する非AD犬53頭に皮内反応および血清特異IgE抗体測定 (以下, 血清検査) を実施した. AD犬の皮内反応陽性率はノミ40.0%, チリダニ (以下, ダニ) 96.7%, 花粉18.2%, 血清検査陽性率はノミ13.3%, ダニ83.3%, 花粉33.3%であった. 非AD犬の皮内反応陽性率はノミ15.1%, ダニ5.7%, 花粉6.7%, 血清検査陽性率はノミ9.4%, ダニ23.7%, 花粉6.7%であった. AD犬におけるダニ陽性抗原の内訳は, 皮内反応がコナヒョウヒダニ (以下, Df) 85.2%, ヤケヒョウヒダニ (以下, Dp) 29.6%, 血清検査がDf83.3%, Dp22.2%であった. 非AD犬におけるダニ陽性抗原の内訳は, 皮内反応がDf7.9%, Dp0%, 血清検査がDf23.7%, Dp7.9%であった. 本邦のAD犬に関与する抗原として, Dfを中心としたダニがきわめて重要であることが明らかになった.

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