日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
わが国の犬における皮膚病の罹患状況
永田 雅彦酒井 健夫
著者情報
キーワード: 皮膚科, , 疫学
ジャーナル フリー

1999 年 52 巻 12 号 p. 775-779

詳細
抄録

ASCどうぶつ皮膚病センターに来院した犬534頭の皮膚病の発生状況を調査した.皮膚病の区分としては感染性皮膚疾患 (29.5%), アレルギー性皮膚疾患 (19.1%) および内分泌性皮膚疾患 (13.7%) が多かった (P<0.01). 疾患としては膿皮症 (16.3%), 脂漏性皮膚炎 (13.5%) およびアトピー性皮膚炎 (9.1%) が多かった. これら症例の予後は, 継続治療を必要とする場合が多かった (52.2%;P<0.01). また全国の動物診療施設 (以下, 開業病院) を対象にアンケート調査を行い, 回答のあった669施設における犬の皮膚病の発生状況を検討した.開業病院では内科疾患と並んで皮膚病に罹患した犬の外来件数が多く (35.1%;P<0.01), かった (62.2%). また皮膚科の外来件数は夏に多いと回答した病院が多かった (64.5%;P<0.01). 開業病院における皮膚病の区分としては感染性皮膚疾患 (32.1%) ならびにアレルギー性皮膚疾患 (21.5%) が多く (P<0.01), 疾患としてはノミアレルギー性皮膚炎 (86.7%), 膿皮症 (85.1%), 外耳炎 (84.6%), アトピー性皮膚炎 (56.5%), 脂漏性皮膚炎 (50.4%), 耳疥癬 (48.4%), 急性湿性皮膚炎 (47.2%) および肢端舐性皮膚炎 (41.9%) が.多かった.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top