日本獣医師会雑誌
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わが国の6地域における飼育犬のレプトスピラ抗体保有状況
阿久沢 正夫大石 明広冨宿 誠吾出口 栄三郎三角 一浩坂本 紘安田 宣紘岡本 嘉六杉村 崇明
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1999 年 52 巻 12 号 p. 780-783

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抄録

わが国の6地域における飼育犬の血清レプトスピラ抗体陽性率は北海道25. 8%, 静岡県40. 0%, 富山県8.9%, 兵庫県10.0%, 岡山県15.0%, 沖縄県29.0%であった.これらの抗体は, 従来わが国で常在が確認されている6血清型 (Leptospira autumnalis, L. hebdomadis, L. australis, L. icterohaemorrhagiae, L. canicola, L. pyrogenes) に対するもので, わが国では確認されていないが外国では家畜への強い病原性が認められている2血清型 (L. pomona, L. hardjo) に対する抗体は検出されなかった. 抗体陽性犬は臨床的に正常で, レプトスピラ症が疑われる症状および病歴はなく, 血清のブドウ糖, BUN, GOT, GPT, アルカリフォスファターゼ, 総コレステロール, 総ビリルビンの値も正常範囲内であった.

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