日本獣医師会雑誌
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鹿児島, 青森県および宮城県の豚下顎リンパ節ならびに農場環境由来Rhodococcus equi中等度毒力株のプラスミドDNA制限酵素切断型
福永 成昭大小田 勉勝見 正道高井 伸二
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キーワード: , 病原性プラスミド
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1999 年 52 巻 12 号 p. 789-792

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抄録

鹿児島および青森県の豚下顎リンパ節からRhodococcus equiを分離し, モノクローナル抗体を用いて毒力関連20kDa抗原を検索したところ, ほとんどの分離株が20kDa抗原を発現する中等度毒力株であった. 鹿児島, 青森および宮城由来分離株の病原性プラスミドを制限酵素切断像により解析したところ8つの型に分類された. これらのうち, 各地域に共通して認められたものは3つの型であり, これらに型別された分離株は鹿児島由来株では91.3%に, 青森由来株では62.8%に, 宮城由来株で74.7%に達した. さらに, 鹿児島県の1出荷農場の飼育環境から本菌の. 離を試みたところ, 豚下顎リンパ節分離株と同一プラスミド型の中等度毒力株が出荷農場周辺土壌から分離された. 以上の成績から, 鹿児島, 青森県および宮城県の豚下顎リンパ節に同一の病原性プラスミド型の中等度毒力株が同じ頻度で分布し, さらに本菌の伝播に土壌などの環境が重要な役割を担っている可能性が示唆された.

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