抄録
卵胞嚢腫と診断されたホルスタイン種雌牛に100μgのGnRHアナログを投与したところ, 卵巣に機能的黄体が形成されたが, その黄体退行後に正常発情周期は回帰せず, 卵胞嚢種が再発した. 本嚢腫牛の視床下部のエストロジェンに対する感受性を調べる目的でエストラジオール-17β (E2) 1mgを投与し, 血中LH濃度を測定した. その結果, 本嚢腫牛においてLHサージは検出できなかった. 一方, 正常発情周期を示す雌牛3頭にE2を投与したところ, 投与後24時間でLHサージのピークがみられた. これらの結果から, 本嚢腫牛ではエストロジェンに対する視床下部の感受性低下が卵胞嚢腫再発の一因であることが示唆された.