日本獣医師会雑誌
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食道部分切除を実施した犬の右大動脈弓遺残症の1治験例
星 克一郎柴崎 哲田中 綾豊田 佐代子山根 義久
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2001 年 54 巻 5 号 p. 383-386

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抄録

離乳後の頻回の嘔吐, 発育不全を主訴に3カ月齢のゴールデン・レトリーバーが来院した.胸部単純X線検査, 消化管造影検査により血管輪異常による食道拡張と診断し, 開胸下で動脈管索の切離および食道拡張部の部分切除術を実施した. 次いで咽頭造瘻術を実施し, 術後8日間は流動食によるチューブフィーディングを行い, その後は徐々に固形食に切り替えた. 現在, 術後14カ月を経過しているが, 食道が拡張していた部分は正常近くに縮小し, また臨床症状は完全に消失して良好に経過している.

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