日本獣医師会雑誌
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乳牛における血漿オルニチンカルバミルトランスフェラーゼ活性の病態的意義
佐藤 博古川 繁雄黒澤 隆及川 伸
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2004 年 57 巻 5 号 p. 307-309

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抄録

肝臓に特異的とされるオルニチンカルバミルトランスフェラーゼ (OCT) の診断的意義を明らかにするため, ホルスタイン種乳牛122 (健康16, 肝臓障害22を含め患畜106) 頭を用いて血漿のOCT, γ-グルタミルトランスフェラーゼ (GGT) およびアスパルテートトランスアミナーゼ (AST) 活性を調査した.剖検例では肝臓の重量およびトリグリセリド (TG) 含量も測定した.健康牛の血漿OCTは2-91Uであった.肝臓障害22頭のうち14頭でOCTの上昇がみられた.OCTの著しい上昇例は原疾患にかかわらず肝線維化, 肝畿血など肝臓腫大をきたす病態に認められたが, 脂肪肝では必ずしもOCTが上昇しなかった.OCT上昇例のうち肝臓障害をともなった割合 (52%) はGGTやASTの場合よりも高かった.

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