2008 年 61 巻 4 号 p. 299-302
2005年1月, 外国より導入された採卵鶏雛24,000羽の群において, 4羽の雛が腺胃重積症と診断された. 剖検所見では腺胃が食道を巻き込みながら筋胃内へ陥入し, 陥入部内腔では腺胃の点状出血が認められ, チーズ様物で覆われていた. 陥入部の組織学的検索では, 陥入部近位端では異常はほとんど認められなかった. 陥入部遠位端には粘膜ヒダの変性・壊死および炎症細胞浸潤, 粘膜表層における細菌塊を伴う偽膜形成が認められ, 組織学的に偽膜性腺胃炎と診断された. 病変部以外の臓器では, 胸腺皮質の軽度萎縮が認められた.