日本獣医師会雑誌
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東京附近の野犬血清中にみた日本脳炎に対する補体結合抗体について
戸田 光敬福田 幾光斎藤 保二
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1956 年 9 巻 6 号 p. 264-266

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抄録

1954年11月から1955年の12月までの間, 東京附近において捕獲された野犬血清中の補体結合抗体の陽性, 陰性率および補体結合抗体の推移を検討することを主な目的として本実験を行った. その結果犬は血清中に日本脳炎 (中山株) に対する補体結合抗体を産生する能力があり, しかもその産生された本抗体は相当長期間持続する. また血清中に過半数が日本脳炎 (中山株) に対する補体結合抗体を持っておった. 月別に分けて観察すると陽性率は3~4月が最低で, 8月が最高を示し, 補体結合価では4倍陽性は3~4月および12, 月が最高で, 1954年11月および1955年10月が最低を示し, 8倍陽性は余りはげしい移動はない. 16倍 (またはこれ以上) 陽性は10月が最高で, 3~6月が最低を示し, しかもその間全く出現しなかった. 性別に分けて観察した場合には雌雄間に有意の差を認めなかった.

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