2000 年 62 巻 9 号 p. 1021-1023
馬の夏癬におけるLangerhans細胞(LC)を超微形態学的に観察した.電顕的には,LCの形状は樹枝状形態で,不整な核膜を有し,広い細胞質にはミトコンドリア,粗面小胞体およびリボゾームなどの小器官が豊富であった.また,細胞質内には,様々なBirbeck顆粒(Bg)が多数観察されたが,その形状には移行像が観察された.表皮有棘層の上層に認められるLCには,細胞膜陥入からなるBgの開口像(Type 2)がしばしば観察された.Epidermo−dermal junctionのLCでは,細胞質内に高電子密度の大小顆粒状のエンドゾームや小胞(multivesicular bodies)(Type 3)が増加していた.表皮内には,明らかなBgが極く僅かであった非活動状態のLC(Type 1)もしばしば認められた.以上のように,馬夏癬の皮膚病変の各病相中にみられる様々なLCは,抗原を認識,捕捉,処理している形態像として理解された.