Journal of Veterinary Medical Science
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62 巻 , 9 号
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  • 芒 来, 和田 隆一, 九郎丸 正道, 杉浦 健夫, 吉原 豊彦, 及川 正明, 林 良博
    原稿種別: NOTE
    専門分野: Anatomy
    2000 年 62 巻 9 号 p. 1001-1003
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    馬喉嚢の機能を解明する糸口を得るため,粘膜における各種免疫グロブリンのアイソタイプおよびサブアイソタイプの分布を調べた.その結果,IgGaおよびIgM含有細胞は粘膜のリンパ小節と粘膜下リンパ小節に認められ,IgGcは粘膜下リンパ小節にのみ検出された.これらはいずれもリンパ球や形質細胞内に認められた.一方,IgAは前記遊走細胞に加えて腺上皮や粘膜上皮表層に検出されたことから,腺上皮から分泌される分泌型IgAの存在が示唆された.
  • 古川 恵, 和田 直己, 徳力 幹彦, 宮田 浩文
    原稿種別: NOTE
    専門分野: Anatomy
    2000 年 62 巻 9 号 p. 1005-1007
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    猫の尾椎関節を神経支配する求心性線維の脊髄投射をWGA−HRPの順行性輸送を用いて観察した.その結果は第1~第2尾椎間の関節を神経支配する求心性線維が注入部位を支配する第3仙髄~第1尾髄ばかりでなく,第10胸髄から第3~4尾髄の広範囲に渡って両側性に投射していることが明らかになった.WGA−HRP反応性神経終末は各横断面のI−II,V−VI,X層に主に観察された.
  • 馬 志永, Tanvir S. KHATLANI, Kimikazu SASAKI, 佐々木 主計, 猪熊 壽
    原稿種別: NOTE
    専門分野: Anatomy
    2000 年 62 巻 9 号 p. 1013-1016
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    真核細胞の線毛のダブレット微小管のA管とB管結合はテクチン(tektin)というタンパク質で強化されている.ビーグル犬の精巣mRNAを用いたRT−PCR法により犬のテクチンをコードするcDNAのクローニングを行った.犬のテクチンcDNAのopen reading frameの長さは1281bpで426残基のアミノ酸をコードしており,アミノ酸レベルにおいてマウス,ウニのテクチンとそれぞれ77%,33−50%の相同性を示した.テクチンのアミノ酸配列中にあるRPNVELCRD配列と4個のシステイン残基はイヌでも保存されており,テクチンの構造と機能に重要な役割を果たしていると示唆される.
  • 王 金和, 張 中明
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Avian Pathology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 989-993
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    台湾で封入体肝炎を示したハトからアデノウイルス(ハトアデノウイルス,PA)を分離し,特定病原体不在(SPF)鶏およびレース鳩に対する病原性を検査した.1日齢のSPF鶏の皮下に104の50%培養細胞感染価(TCID50,低用量)および108 TCID50(高用量)接種した.高用量接種群では接種後3日から死亡が認められ,死亡率は100%に達したが,低用量接種群では接種後6日から死亡が認められ,14日間の死亡率は90%であった.成鳩はPAに抵抗性を示すと思われた.しかし,このウイルスはハトにおいてニューカッスル病ウイルスに対する抗体産生を抑制した.このPAはBamHIおよびHindIIIの制限酵素切断パターンから遺伝子型group Dに属することが明らかになった.
  • 落合 由嗣, 福士 秀人, 蔡 燕, 山口 剛士, 平井 克哉
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Bacteriology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 941-945
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    Chlamydia psittaci 7株のcHSP60をコードする遺伝子の塩基配列1,272塩基対を決定し,424残基からなる推定アミノ酸配列を,既報のC.psittaci,C.trachomatisおよびC.pneumoniaeのアミノ酸配列と比較した.クラミジア属の種間において,塩基配列は81.0%以上,アミノ酸配列は92.2%以上の極めて高い一致率を示した.また,cHSP60のアミノ酸配列を大腸菌のHSP60相同体であるGroEL,および枯草菌と結核菌のHSP60のそれらと比較·検討した結果,3つの高度保存領域が見い出された.これらの領域は,蛋白質の構造形成を介助する上で重要な機能を担うことが示唆された.さらに,cHSP60のアミノ酸残基の中で,大腸菌GroELで機能が報告されている28残基を比較した結果,26ないし27残基が一致した.したがって,cHSP60は,大腸菌GroELに類似した機能を保持していることが示唆された.
  • 呉 培星, 佐藤 耕太, 鈴田 史子, 日笠 喜朗, 篭田 勝基
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Biochemistry
    2000 年 62 巻 9 号 p. 933-939
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    牛脂肪組織由来血管間質細胞の初代培養系を用いて,主に脂質に関連する因子の脂肪細胞分化に及ぼす影響を調べた.脂肪細胞分化はGlycerol−3−phosphate dehydrogenase(GPDH)活性と顕微鏡による形態学的観察により検討した.中性脂質,カプリル酸および超低密度,低密度および高密度リポタンパク(VLDL,LDLおよびHDL)は無血清条件下において,脂肪細胞分化を促進した.特にVLDLは脂肪細胞の増殖と分化の両者を促進した.皮下脂肪組織由来細胞は中性脂質誘導条件下において,大網脂肪組織由来細胞より顕著に分化したが,peroxisome proliferator−activated receptor γ(PPARγ)リガンドであるインドメタシンにより分化誘導を行った場合,その差は認められなかった.このことから,牛脂肪細胞の脂質からの内因性PPARγリガンド産生能は部位により異なり,分化能に部位差があることが示唆された.これらの結果から,脂質およびリポタンパクは牛脂肪前駆細胞培養系における脂肪細胞分化を促進することが明らかになり,生体においてこれらの因子が牛脂肪組織の形成に重要な役割を果たすことが示唆された.
  • 朴 性俊, 大屋 文恵, 山下 耕平, 西藤 公司, 岩崎 利郎
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Internal Medicine
    2000 年 62 巻 9 号 p. 983-988
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    皮内試験および抗原特異的IgEの測定は犬のアトピー性皮膚炎の確定診断および減感作療法に用いる抗原を特定するため開発されてきた.日本における犬のアトピー性皮膚炎の感作抗原を特定するためアトピー犬95例を対象とし,9種類の抗原を用いて皮内試験およびイムノドットストリップによる抗原特異的IgEの測定を行った.その上,両試験の間の一致率,感度および特異性を比較した(皮内試験を基準として).その結果,日本では室内ダニが主な抗原であることが判明した(皮内試験:69.5%,抗原特異的IgEの測定:48.4%).さらに日本スギ,ヨモギ,草混合などが付随する抗原と特定された.両試験は67.4%から96.8%の一致率を示した.抗原特異的IgEの感度は皮内試験と比較して16.7から68.2%であった.特異性は全ての抗原に対して94.9−100%の高値を示した(平均=98.7).最終的に,皮内試験(15例)と抗原特異的IgEの測定(12例)の結果に基づいて27例のアトピー犬に対する減感作療法の有効性を検討した.50%から100%まで症状の改善が認められたのは皮内試験群では60%(9/15),抗原特異的IgEの測定群では66.8%(8/12)の症例であった.以上の結果から抗原特異的IgEは減感作療法に用いる感作抗原の特定方法として有用な検査方法であることが示唆された.
  • 増田 健一, 阪口 雅弘, 斉藤 三郎, 藤原 俊介, 蔵田 圭吾, 山下 耕平, 長谷川 篤彦, 大野 耕一, 辻本 元, Hajime ...
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Internal Medicine
    2000 年 62 巻 9 号 p. 995-1000
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎の犬において,in vivoとin vitroのアレルギー検査法を用い,日本スギ(Cryptomeria japonica)花粉に対する感作について検討した.アトピー性皮膚炎の臨床症状を呈している10頭の犬において,皮内反応および血清中抗原特異的IgE検査によって,日本スギ花粉の感作が存在することが明らかとなった.さらに,これら症例のうちリンパ球刺激試験を実施した5頭においては日本スギ花粉抗原特異的リンパ球芽球化反応が認められた.また,2頭において日本スギ花粉抗原特異的なヒスタミン放出が検出された.これらのことから,犬のアトピー性皮膚炎においては,日本スギ花粉抗原に感作されている多くの症例が存在することが明らかとなった.
  • 佐藤 文夫, 長谷川 晃久, 片山 芳也, 岩永 敏彦, 矢内原 昇, 菅野 富夫, 石田 信繁
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Molecular Biology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 953-959
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    クロモグラニンA(CGA)は副腎髄質クロム親和性細胞,神経およびパラニューロン組織の細胞においてカテコラミン類やその他の分泌物質と共に存在し,共に放出されることが知られている酸性タンパク質の1つである.最近,CGAはストレスマーカーの1つとして臨床応用が期待されているが,その生理活性機能に関しては,まだよく解っていない.今回我々は,馬CGA遺伝子のcDNA塩基配列をRT−PCRおよびRACE法を用いて決定した.全長1,828 bpの塩基配列から,18個のシグナルペプチドを含む448個のアミノ酸残基からなる馬CGAアミノ酸配列を明らかにした.この馬CGAアミノ酸配列とヒト,牛,マウス,ラットおよびカエルのCGAアミノ酸配列を比較したところ,中央部分(78−313)に種差が認められるのに対して,NH2末端部分(1−77)およびCOOH末端部分(314−430)において高い相同性が認められた.またアミノ酸切断部位と考えられている2つの塩基性アミノ酸が並んで存在している部分の保存性も確認された.さらに,ノーザンブロッティングとRT−PCRにより馬CGA mRNAの組織分布を調べた結果,副腎髄質組織のみならず神経組織および他の内分泌組織や外分泌組織においても発現が確認された.またIn situ hybridizationによって副腎髄質,下垂体前葉および中葉の細胞が発現していることを確認した.今回解読した馬CGA塩基配列は,今後CGAの生理活性機能や生体内動態を解明する上で有用である.
  • 芝原 友幸, 疋田 瑞栄, 和田 好洋, 末吉 益雄, 大宅 辰夫, 石川 義春, 門田 耕一
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Pathology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 947-951
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    エゾシカ(Cervus nippon yesoensis)における腸管スピロヘータ感染の有無を調べるために,7頭の野生エゾシカについて組織学的,免疫組織化学的および電子顕微鏡学的検索を実施した.組織学的に,7頭中6頭の盲腸と結腸に腸上皮細胞と杯細胞の過形成ならびにマクロファージとリンパ球の浸潤を伴う粘膜固有層の水腫を認めた.多数の好銀性スピロヘータが陰窩に認められ,腸上皮細胞および杯細胞への侵入像もみられた.免疫組織化学的に,抗Brachyspira(Serpulina)hyodysenteriaeとB.pilosicoli血清を用いたSAB染色で,このスピロヘータは陽性を示した.電子顕微鏡学的に,このスピロヘータは長さ6−14μm,幅0.2−0.3μm,4−6個のうねりおよび13本の軸糸をもち,Brachyspira spp.に類似していた.これらの結果から,このスピロヘータは野生エゾジカに大腸炎をひき起こすこと,ならびにこの腸管スピロヘータ症がすでに日本の野生エゾシカの間で拡がっていることが示唆された.また,このスピロヘータによる大腸炎がエゾジカの新しい疾病となり,同一ないし類似のスピロヘータがエゾジカと牛を含む反芻獣に感染する可能性が示唆された.
  • 黒滝 哲郎, 楢山 一哲, 小山田 敏文, 吉川 博康, 吉川 尭
    原稿種別: NOTE
    専門分野: Pathology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 1021-1023
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    馬の夏癬におけるLangerhans細胞(LC)を超微形態学的に観察した.電顕的には,LCの形状は樹枝状形態で,不整な核膜を有し,広い細胞質にはミトコンドリア,粗面小胞体およびリボゾームなどの小器官が豊富であった.また,細胞質内には,様々なBirbeck顆粒(Bg)が多数観察されたが,その形状には移行像が観察された.表皮有棘層の上層に認められるLCには,細胞膜陥入からなるBgの開口像(Type 2)がしばしば観察された.Epidermo−dermal junctionのLCでは,細胞質内に高電子密度の大小顆粒状のエンドゾームや小胞(multivesicular bodies)(Type 3)が増加していた.表皮内には,明らかなBgが極く僅かであった非活動状態のLC(Type 1)もしばしば認められた.以上のように,馬夏癬の皮膚病変の各病相中にみられる様々なLCは,抗原を認識,捕捉,処理している形態像として理解された.
  • Jeanne-Marie BONNET, Robert BOIVIN
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Pharmacology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 925-931
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    羊の心血管系に対する非ペプチド性アンジオテンシンII受容体拮抗薬ロサルタンの作用を検討した.8頭の無麻酔で,正常血圧の羊で2回試験を行った.1回目は通常条件下で,2回目はフロセミド5mg/kgを1日2回3羊日間投与して体内の水分,電解質を減少させた条件下である.ロサルタン30mg/kgを静脈内注射すると対照群および水,電解質減少群ヒツジのどちらでも平均血圧(MABP)が低下した.MABPの最大低下は利尿薬処置群の方が対照群より大きく(20.0±2.7 vs 9.3±1.1mmHg),それに達する時間も早かった(8.0±3.3分vs 12.1±29分).対照群および利尿薬処置群の両方で血圧低下は頻脈を伴った(増加5.5±1.8 vs 11.3±3.9拍/分).ロサルタン投与30分後には0.1μg/kgアンジオテンシンIIに対する昇圧反応は完全に遮断された.ロサルタン投与2時間後すべての動物でMABPは上昇傾向にあり,アンジオテンシンII受容体遮断効果は正常群で部分的に減弱した.正常群に比べて利尿薬処理群で心血管系への効果がより顕著であったことはその群でレニン·アンジオテンシン系が強く活性化していることと関連していた(血漿レニン濃度:6.51±1.33 vs 1.42±0.37ngアンジオテンシンI/ml/時間).
  • 永延 清和, 小川 博之, 内田 和幸, 山口 良二, 大橋 文人, 久保 喜平, 青木 美香, 桑村 充, 小川 泰子, 松山 広大
    原稿種別: NOTE
    専門分野: Surgery
    2000 年 62 巻 9 号 p. 1009-1011
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    11歳,オスのシェトランド·シープドッグの左鼻孔から出血および分泌物が認められた.鼻腔切開術により鼻腔内貯留物から得られた塗抹標本にて肥満細胞を認め,肥満細胞腫と診断された.犬には外科手術,放射線療法,化学療法を実施した.最後の治療から18日目に下顎リンパ節の腫大と顔面の浮腫が認められた.飼い主の希望により犬は安楽殺された.剖検にてリンパ節および肝臓に腫瘍の転移が確認されたが,鼻腔内の腫瘍は認められなかった.
  • 太田 稔, 奥 河寿臣, 山中 隆史, 水野 豊香
    原稿種別: NOTE
    専門分野: Surgery
    2000 年 62 巻 9 号 p. 1017-1020
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    セボフルラン麻酔下で整形外科手術を実施した競走馬85例の麻酔管理について考察した.術中の呼気セボフルラン濃度は概ね2.5~2.8%であった.人工呼吸によりPaCO2は50~65mmHgに維持された.輸液とドブタミンの投与により平均動脈圧は65mmHg以上に維持されたが,心拍数は経時的に増加した.覚醒は円滑であり,麻酔による合併症は認められなかったことから,馬における有用性は高いと考えられた.
  • 清宮 健一, 松下 直子, 松尾 三郎, 暮部 勝
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Toxicology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 971-975
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    アミノグリコシド系抗生物質は腎近位尿細管内腔から近位尿細管細胞内に取り込まれて蓄積し,腎毒性を惹起することが知られている.アミノグリコシド系抗生物質の膜結合親和性や膜透過性は近位尿細管細胞の刷子縁膜(BBM)と基底膜(BLM)とでは異なっている.それゆえ,この研究はアミノグリコシド系抗生物質のゲンタマイシン(GM)をブタ腎近位尿細管上皮由来の株化細胞LLC−PK1のBBM側またはBLM側へ適用し,毒性の差異について検討した.LLC−PK1細胞は小孔を有したメンブレン上に培養し,単相上皮形成後にGMをBBM側またはBLM側に添加した.GMはLLC−PK1細胞小器官からの酵素遊離を惹起し,BLM側よりもBBM側に添加した方がより高い酵素遊離が認められた.[3H]GMのLLC−PK1細胞のBBM側とBLM側からの細胞内取り込み様式は異なり,BBM側からの取り込みは経時的に増加したが,BLM側からの取り込みは急速な飽和状態を示した.以上の結果から,アミノグリコシド系抗生物質は培養腎上皮細胞のBBM側またはBLM側に添加した時に毒性的差異や異なった細胞内取り込み様式を示すことが示唆された.
  • 清宮 健一, 松下 直子, 松尾 三郎, 暮部 勝
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Toxicology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 977-981
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    セファロスポリン系抗生物質の腎毒性機序を明らかにするために,腎毒性を有するセファロスポリン系抗生物質のセファロリジン(CER)が豚近位尿細管上皮細胞株のLLC−PK1細胞に及ぼす細胞毒性的影響について検討した.CERは細胞内の過酸化水素含量の増加,カタラーゼ活性の減少を惹起し,その後に過酸化脂質含量の増加,グルタチオンペルオキシダーゼ活性および非蛋白性SH含量の減少を惹起した.LLC−PK1細胞から調製したミクロソーム画分およびラット腎皮質から精製したNADPH−チトクロムP−450還元酵素標本によるNADPHに依存した過酸化水素とスーパーオキシドアニオン産生はパラコートによって促進された.これら分子の産生はNADPH−チトクロムP−450還元酵素阻害剤のρ−chloromercuribenzoateによって抑制された.一方,CERはこの過酸化水素とスーパーオキシドアニオン産生には顕著に影響しなかった.これらの結果から,CERによるLLC−PK1細胞毒性は細胞内の過酸化水素および過酸化脂質含量の増加によるもので,ミクロソームでの酸素ラジカル産生によるものではないこと,また,この細胞毒性発現機序はミクロソームで酸素ラジカル産生を誘導するパラコートとはかなり異なることが示唆された
  • Chang-hee KWEON, Byung-joon KWON, Sung-ryong WOO, Jong-man KIM, Gye-hy ...
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Virology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 961-964
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    豚流行性下痢ウイルス(PEDV)は,新生豚に高い致死率を伴う下痢症を起こす.そこで,新生豚におけるPEDV(KPEDV−91842株)に対する鶏卵黄免疫グロブリン(IgY)の免疫予防効果を検討した.IgYの投与により,ウイルスで攻撃した子豚の致死率が低下することが明らかとなった.また,野外試験においても,IgY投与群とコントロール群との間で子豚の生存率に有意な差が認められた.これらのことから,抗PEDV−IgYは母豚からの初乳抗体のような補足的予防法の代わりに成り得ることが示された.
  • 中道 一生, 大原 健太郎, 松本 安喜, 大塚 治城
    原稿種別: FULL PAPER
    専門分野: Virology
    2000 年 62 巻 9 号 p. 965-970
    発行日: 2000年
    公開日: 2001/01/31
    ジャーナル フリー
    犬ヘルペスウイルスI型(CHV−1)は他のαヘルペスウイルスと比較して,極端に狭い宿主細胞域を示す.今回,定量PCRを用いて,非感受性細胞におけるCHV−1の吸着,侵入過程を調べた.感受性のMDCK細胞と同様に,非感受性細胞においてもCHV−1の吸着が見られた.しかしながら,その吸着のほとんどはヘパリンによって阻害された.さらに,非感受性細胞では,細胞内へのCHV−1の侵入が減少した.これらの結果から,CHV−1の宿主細胞域は侵入の段階で決定されていることが示された.また,MDCK細胞には,ヘパラン硫酸とは別のCHV−1受容体が存在するが,非感受性細胞ではこのような受容体が存在しないため,細胞内に侵入できないものと考えられた.
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