抄録
盛岡食肉処理場で得た26例の本症について,病理組織化学的研究を行なった.組織化学的には,病巣は,従来一部の研究者によりLipomatosisと呼称されていたような腫瘍性性格を示さなかった.脂肪組織におけるグリセライドの化学的変化が第一義的なものであり,その結果,退行性および反応性変化を起こしたものと考えられた.研究結果は,次のように要求される.I. 病巣は形態学的に2型に分けられた,すなわち,一つの型は,脂肪組織に腫瘤を形成し,強い線維性組織の増殖により,病巣は多数の小葉にわけられるものである.他の型は,線維の増殖に