日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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黒毛和種における牛白血病の臨床的研究 : I. 健康牛の末梢血リンパ球数ならびに前白血病牛の血液学的診断基準
石原 勝也小沼 操大谷 健
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1979 年 41 巻 2 号 p. 103-108

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抄録
生体検査, 血液検査, 血清生化学的検査およびBLV血清抗体検査によって選別された185頭の健康な雌の黒毛和種について, 年齢別に末梢血リンパ球数の正常値を求めた. この正常値とBendixen indexを参照して, 黒毛和種の前白血病牛に対する診断基準を設定した. この基準では, リンパ球数は最低3ケ月の間隔で3回検査して判定された. 被検牛は陰性(Group 1, 83.4%), 疑陽性(Group 2, 13.0%), 持続的リンパ球増多症(Group 3, 3.6%)の各群に分類された. その陽性率は1回検査の陽性率(ローマ数字で表示)より低かったが, 持続的リンパ球増多症の評価は一層確実であった. リンパ球数を検査した年内にGroup 3と診断した7頭中の2頭が, また, 2年後に, Group 2と診断した25頭中の1頭がleukemiaを発病した. これらの牛は, 2あるいは3回の各検査ごとに3群中のいずれかに区分されたが, 1例のみが常にGroup IIIに分類された. このリンパ球数検査は, 前白血病牛を群から早期に除去するための防疫的手段としてより, むしろ, 白血病状態の病態判断と発病予知の有意な指針となるように考えられる.
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