抄録
2力所のと畜場に搬入された69頭の豚に71例の膿瘍が認められ, 細菌学的検索の結果, 偏性嫌気性菌141菌株, 通性嫌気性菌130菌株が分離され, 全膿瘍の73%から偏性嫌気性菌が検出された. そのうち, 15例(21.1%)の膿瘍からは, 1菌種のみが検出され, 残りの膿瘍からは, 偏性嫌気性菌, 通性嫌気性菌が混合して検出された. 141菌株の偏性嫌気性菌のうち, Bacteroides は最も多く分離された菌属で, 全膿瘍の61.9%に検出され, 次いで Fusobacterrium, Peptococcus, Propionbacterium, Eubacterium 分離された. なお, Lactobacillus, Megasphaera, Clostridium, Bifidobacterium, Veillonella の検出例はきわめて少なかった. 分離された菌種(species)としては, B. ruminicola/oralis group が最も多く, 全膿瘍の57.7%に相当する41例の膿瘍から検出されたが, この場合同菌種単独での検出例は少なく, ほとんどが Corynebacterium piogenes あるいは C. pseudopyogenes と共存した状態で検出された.