抄録
削痩と食欲減退を主訴に来院した14歳の去勢雄シャムネコにマクログロブリン血症を認めた. セルロースアセテート電気泳動による血清蛋白の分析でβ2分画が高値を示し, また免疫電気泳動では強いM-bowが検出された. IgM値はSingle radial immunodiffusionで正常の10倍以上を示し, 超遠心分析で19S相当成分であることが確認された. 組織学的に骨髄細胞の異常増殖は認められなかったが, 脾臓・リンパ節・腎臓および腸で形質細胞やリンパ球様細胞の浸潤がみられ, 免疫蛍光法ではIgM陽性細胞の著増が認められた.