抄録
抗原としてジニトロフェニール基結合明ばん沈澱ウシ血清アルブミンをマウス肉球皮下に投与後3時間で, リンパ節内傍皮質 (胸腺依存領域) において抗原摂食細胞が観察された。投与後1週間には, 皮質リンパ小節において胸腺依存領域に接して腔中心が形成され, 内部には少数のTリンパ球を含んでいた。投与後2週間では, 胚中心皮質側にIgGを伴った抗原が細網状にみとめられた。これらの所見から, リンパ節胚中心の形成と機能の保持には, 食細胞を介する傍皮質内への抗原の侵入と, それに続くTリンパ球, Bリンパ球の協調が重要であることが示唆された。